Feb 3rd 16
医療の進歩で生存率が改善され、がんは必ずしも死の病ではなくなってきている。
働く世代のキャンサーサバイバーの多くは、生きるため、生活するために治療を受けながら仕事をしている。
それも、ひっそりと。
メンタルヘルスが企業の安全配慮義務で大きなウエイトを占めている中で、個人の疾患となるとプライバシーの問題もありなかなか企業側に相談いただけないことが多い。
がんと診断されて、手術、退院をして、復職してもすぐに同じペースで復職することはなかなか厳しい。
治療のために有休をやりくりし、医療費負担もあり、さきの経済的不安もうまれ、それでも働かなくては・・・と心身ともに大きな負担や不安が発生する。
そうした中、退職をしてしまう方も多く、企業側も人財を失うことになり、双方大きな損失である。
EAP(従業員支援プログラム)アウトソーシングで企業カウンセリングに赴く中で、人事・労務担当者から「本人から相談を受けていれば」と直接本人からの申し出が無い(噂などでは耳にしていても)事に残念がるケースがある。
しかしキャンサーサバイバーの多くは「会社に知られたくない」「知られると評価が下がる」など悶々としている。
もちろん、本人が会社に言わない選択もあるが、治療しながら仕事をするには環境整備は必要不可欠であり会社に働きかけなければ無理な話である。
また「会社に話した」とするサバイバーでも、状態が会社に理解されず無理を強いてしまう事も多い。
ひとくちにがんと言っても、部位や進行によっても治療は多岐にわたる。
サバイバー本人から医療的な説明をきちんとするというのは、(本人もわからないまま治療を受けている事の方がほとんどではないだろうか)困難だと思う。
そこで、厚生労働省は、医療と企業と橋渡しをするための、文書の指針(ひな形)を今年の夏までにまとめると言う。
http://www.asahi.com/articles/ASJ124W6NJ12PLFA004.html
このひな形が出来ることで医療と企業の連携が図れ、仕事と治療の両立がしやすくなるのではないかと期待しつつ、橋渡し役としてのコーディネーションの必要性も強く感じている。
この指針が、いずれは、がんのみならず全ての疾患、正規・非正規雇用関係なく全ての勤労者に役立つように!
早くまとめて欲しいなと思う。
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