Jul 7th 09
「私たちは、50年後こういう国にしたいと思っている。ですから、今この施策を打っている」
これは、確か中国の政府要人の話だったと記憶しています。現状にとらわれず、「すべて思うとおりになるとしたら、どのような姿にしたいのか?」を想い描きビジョンとして設定、その上でその実現のために今取り組むべき施策を実行する。こうしたアプローチを「バックキャスティング」といいます。それに対し、現状認識から長期目標を設定するアプローチを「フォアキャスティング」といいます。
直近の世界情勢に象徴されるように国家や企業を取り巻く環境が激変する今世紀、10年後の環境を予測することは至難です。こういう時代こそ、国はもちろん、企業もバックキャスティングでビジョンを構想し、その実現に向けた数年毎のマイルストーン、ロードマップを策定、その上で今取り組むべき課題を明らかにする、中期計画を策定する、といったバックキャスティングのアプローチを大切にすべきなのではないでしょうか。
ところで、現状の課題抽出とその解決にフォーカスするいわゆるギャップアプローチに馴染んでいる企業の方々にはこうしたアプローチに多少の違和感があるのも否めません。
だからこそ、バックキャスティングでのビジョン策定には、右脳にもおおいに働いてもらう体験型のワークショップが有効です。このことを、最近、手がけている「ビジョン策定のワークショップ」で痛感しています。
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