Jun 18th 09
ナイキ、アディダスなどのグローバルブランドにOEM供給していた中国の靴製造会社が、このところの急速な受注減を契機に、自社ブランド靴(ex.Raidica)の国内市場向け販売に力を入れているそうだ。
製造の品質、靴の機能性には自信があるが、それだけでは消費者に選択してもらえない、ということで、ブランドデザイナーを大巾に増員したとのことだ。機能価値を超える情緒的な価値を高めることをねらった当然の施策ではある。
顧客に継続的に選ばれるようになるためには、「消費者に支持される独自の世界観」を築き、デザインの品質を高めることが欠かせない。
そして、ブランドとして評価されるためには、その世界観が顧客の価値観と共鳴するレベルまで到達することが必要である。その商品を選択することが「自分に合っている」「自分らしさ」を強化する、といった価値が大切で、「自己表現価値」とも呼ばれている。
ところで、その世界観は、商品の提供企業の有り様に根付いていなければ、顧客に見透かされてしまう。強固なブランドを確立している企業は、提供する商品・サービスにとどまらず、あらゆる活動でブランドを体現している、と感じさせるところまで組織文化を醸成し続けている。
「ブランドづくりは、組織づくり」が要諦といわれる所以だ。
しかし、組織の隅々まで、ブランドを支える価値観が体現されている状態をつくり、維持し続けることは並大抵のことではなく、また短時間でできるものではない。
では、どう取り組んだらよいのか。
これに応える適切なアプローチ、それが「インナーブランディング」である。
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