Oct 4th 08
BtoB企業は、国内で固定客を相手に安定した商売が継続している間は、ブランドに関心が薄いようです。ところが、いざ顧客を開拓する、特に海外に進出する、といった方針に転換したとたんに、ブランドの大切さに気づく傾向があるように思います。
つい最近のニュースによると、日立製作所の鉄道車両事業が海外でそのことを痛感しているようですね。
「HITACHI」は国内では認知度抜群のブランドであり、鉄道車両事業は国内市場で安定した顧客関係で事業が成立してきた歴史が長いだけに、ブランド戦略はおそらく必要がなかったのでしょう。しかし、海外では「鉄道車両」と「HITACHI」の結びつきは関連業界の中でも決して強くなさそうです。ブランドが確立していれば、納入業者の選定の最初から、有力候補としてノミネートされるのですが、現状では、「HITACHI」がこの分野でいかに先進的で高品質の技術を持っているかを、いろいろな角度から訴求しないと候補に挙がらないことがうかがえます。
国内市場が飽和化または縮小することが見込まれるBtoB事業。これからは海外進出を契機として、ブランドへの関心が高まり、ブランド戦略が重視されてくることは間違いないといえそうです。
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