Mar 26th 08
「酒を飲んで嫌なことを忘れよっ〜」とは古くから多くの人がやってきたこと。ところが嫌なことを思い出した直後にアルコールを摂取すると、その嫌な記憶が強められるということを、松木則夫東京大教授(薬理学)らがラットの実験で見つけたそうだ。(2008年2月29日発売の米科学ジャーナル誌「Neuropsychopharmacology」に掲載)
この実験結果を人間に当てはめて考えると、嫌な記憶を忘れたいがために、一時的に楽しい気分を味わおうとして飲酒しても、その嫌だと思っていた記憶はさらに鮮明に残り、加えて飲酒時に感じた楽しい気持ちは忘れてしまっているということになる。なんとも…。強化した嫌な記憶を取り去ろうとさらに飲酒をし、深みにはまり込んでしまうアルコール依存の構造も見え隠れしてきますね。松木教授は、「酒を飲まずに、嫌な記憶に楽しい記憶を上書きしてしまう」のが最善策だと言っています。ま、それでも酒を手放せない方は、せいぜい嫌なことを酒で紛らわそうとしないことが大事なようです。じゃあ、どうせ酒を飲むなら、楽しい記憶を強化するように、楽しいことがあったときの祝い酒、この道がいいのではと思うのでありますが、皆様、いかがでしょう。
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